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写真展

ニッコールクラブ会員展 上田 禎亮「愛車と共に半世紀」インタビュー

会場:ニコンプラザ大阪 THE GALLERY
会期:2024年2月1日(木)~2024年2月14日(水) 日曜休館
   10:30~18:30(最終日は15:00まで)

ニコンプラザ大阪のTHE GALLERYにて、ニッコールクラブ会員の上田禎亮さんが写真展を開催しています。初めてのTHE GALLERY応募だったという上田さんにお話を伺ってきました。

作者の上田禎亮さん(左)。奥様と一緒に撮影に行くこともあったそうです
写真とはどのように関わられてきましたか?

わたしは有野永霧先生(事務局注:ニコンサロンでの個展に「there WAS... ヨーロッパにて」「虚実空間・都市」シリーズ、「空蝉の都市」シリーズ、「無名のアースワーク」シリーズ、「日本人景」シリーズ、「マイナスの人景」など。1994年に第19回伊奈信男賞受賞)のもとで写真を勉強してきました。写真教室の皆さんはスナップに取り組まれていて、スナップ写真の追求にとても感動しました。

それまで風景写真しか撮っていなかったわたしはついていくのが精いっぱいでしたね。でもスナップ写真を通して人の苦労や温かみ、ロマンの世界に入り込んでいきたいというために、今回のテーマに集中していきました。

今回のテーマについて教えてください。

主な撮影地となった自動車整備工場は兵庫県・県道42号尼崎宝塚線にあります。老朽化した工場で働き続ける85歳の整備士を主人公に、彼を取り巻く環境を追っていきました。

心から惚れ込んだ愛車、日産ブルーバードの再生を目標に仕事を継続し挑戦している彼の姿を追っていると、その生き甲斐、生き様、ロマンにとても感動したのです。人は誰しも楽に生きたいと思うのではないでしょうか?でも、彼は「自分の生き方」を完遂している。その姿に夢中になって、結果、4、5年撮り続けることになりました。

撮影にはZ 7II、D850を使用しています。スナップ写真、動きのある被写体などは小回りの利く機材で撮り歩きたいですね。

撮影で大変だったこと、印象的だったことはありますか?

コロナ禍の影響もありましたし、撮影をさせていただいた整備士の方は高齢で、ぜんそくだったり足が悪くなったりといった状況だったため、撮影ができない日もたくさんありました。

撮影の最初の頃には妻も一緒について来てくれました。手料理を持って行って整備士さんの奥さんと4人で食事をしたりといったお付き合いもして、人間関係を育んでいきました。

整備士の彼は今、入院され介護を受けられていますが、きっと今回の写真展を喜んでくれていると思います。

写真展に際してこだわった部分はありますか?

工場は西日の入る間口の広い店舗だったので、夕暮れ時の光の入り込みと整備士が働く姿の、光との調和を強調しようと意識しました。

また、プリントについてはリアルさを出したいのでA1パネルをメインにしたり、できるだけ大きく見せることを意識しました。

会場設営の様子
4、5年かけて撮った作品がずらり並びます
写真展を開催するきっかけやご感想を教えてください。

今回、ニコンプラザ THE GALLERY展の審査には初めての応募でした。ニッコールクラブ シニア・アドバイザーの大西みつぐ先生、ハナブサ・リュウ先生にもご指導をいただき、「もっとこういうテーマに絞ったらどうか」などと具体的なアドバイスをいただき背中を押されて応募しました。合格通知を受け取った時は嬉しかったですね。

写真仲間からはなかなか好評で、「よくここまでやったね」と声をかけていただきじわじわと喜びを噛み締めています。今回、THE GALLERYの審査に合格できたので、次はニコンサロンでの写真展を目指して頑張りたいと思っています。

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