会報274号フォトコンテスト
ニッコールクラブ会報誌上で、会員限定のフォトコンテストを開催しています。上位入賞作品をご覧ください。
サロン・ド・ニッコール モノクロームの部 1席 |
「乱舞」宮本 節夫(奈良/奈良秋篠支部)
撮影機種:Z 7 レンズ:NIKKOR Z 24-120mm
講評毎年1月、大蛇に見立てた大松明を燃やして、1年の健康を祈るという、近江・勝部神社の火まつり。ダイナミックなクライマックスを上手くとらえて、躍動感に満ち溢れた作品です。神事の神秘性すら感じさせる、モノクロームならではの表現が見事に一致し昇華しています。まるで群像劇を観ているようで、主役の肩車にのった扇子と提灯を持った若者が生き生きとして、重要なポイントになっています。 |
サロン・ド・ニッコール カラーの部 1席 |
「本宮」村上 賢徳(奈良/奈良秋篠支部)
撮影機種:Z 7 レンズ:NIKKOR Z 24-120mm
講評ここは奈良県の墨坂神社のお祭りとのこと。左の奥から幟をたずさえた人たちが、ゆっくりとこちらに向かって歩いてきます。その背後には、多くの人の姿と神輿らしきものも見えます。手前には、その行列を待ちわびた人たち。おそらく自宅前で待っているのでしょう。コロナ禍を抜けだし、やっと日常が戻ってきつつある。そんなことを何よりも感じさせてくれます。静かでありながら、何故か音を感じさせる強い一枚です。 |
ネイチャー・フォトサロン 1席 |
「仔熊distance」蜂谷 雅人(東京)
撮影機種:Z 9 レンズ:NIKKOR Z 800mm
講評不意に草むらから現れた熊の親子を、冷静に動きをよく見て撮影されています。超望遠レンズを使っているとはいえ、何事もなく撮影ができてよかったです。厳しい自然の中、食べる物にも苦労しているのでしょう。そんな状況で生きている親子の絆を感じます。子熊が母を慕い、母から離れないように一生懸命な動きが健気に見え、成長を祈りたくなります。綺麗な色味が現実感を明るいイメージに表現している作品となりました。 |
チャレンジ・フォトサロン 特選 |
「笑顔」佐藤 征男(茨城)
撮影機種:D780 レンズ:AF-S ニッコール 24-85mm
講評自然な笑顔が写っている写真には強い説得力があり、撮る側の特別な技巧を感じさせません。それでも、収穫したハスが少し画面に入っていることで、その泥がついた笑顔に深みが生まれてくるのです。厳しい作業の合間にカメラが無理なく入り、私たちに暮らしぶりの一端を伝えてくれたことは嬉しい限りです。もちろん、フレーミングなど工夫の余地はありますが、この笑顔に勝るもの無しといえるでしょう。 |
チャレンジ・フォトサロン 特選 |
「仲よし」山元 時子(石川)
撮影機種:D7500 レンズ:AF-S DX ニッコール 18-200mm
講評優しい気持ちになる写真です。春先の暖かさのもと、おばあさん2人がのんびり世間話をしている光景にも見えてきます。少し離れたところからの撮影は大変だったかと思います。被写体検出機能に優れている最近の機種だと、動く動物にも対応できるので、ぜひ試してみてほしいです。 欲を言えば、色合いも含め、背景として小屋をもう少し生かせたら、さらに味わい深くなったかもしれません。 |
チャレンジ・フォトサロン 特選 |
「異空間」清原 義之(岡山/倉敷支部)
撮影機種:Z 7Ⅱ レンズ:AF-S DX ニッコール 18-200mm
講評昔の隧道。まさに「タイムトンネル」のような空間。手前の見学者たちが手にするスマホがまた異様で、そこを意識的に画面に入れて撮影されたところが、スナップとして技ありです。もちろん、この隧道そのものを高画質な機種でしっかり撮るのもよいですし、露光間ズームなどでイメージを増幅していくのも面白いと思います。すると、こうした空間との出会いそのものにテーマが宿るはずです。 |