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会報誌・読みもの

会報276号フォトコンテスト

ニッコールクラブ会報誌上で、会員限定のフォトコンテストを開催しています。上位入賞作品をご覧ください。

サロン・ド・ニッコール モノクロームの部 1席

「力走」田畑寿彦(北海道/道北支部)

撮影機材:D750・AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR

選評:ニッコールクラブ アドバイザー 三好和義 

こっちに向かって真正面に走って来る犬ぞりが迫力満点です。ハスキー犬の真剣な目がイキイキとしています。表情や毛並みまでもが驚くほどシャープにとらえられています。3匹が飛び上がった瞬間をとらえたシャッターチャンスも素晴らしいですね。奥にボケて写った子供の嬉しそうな笑顔、こ
のシーンを盛り上げています。小雪のちらつきぐあい、背景の白さなど、見れば見るほど非の打ち所のない完成度の高い作品です。

サロン・ド・ニッコール カラーの部 1席

「予感」太田英雄(兵庫/阪神支部)

撮影機材:Z 5・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

選評:ニッコールクラブ アドバイザー 佐藤倫子

思わず二度見してしまうくらい、衝撃的な迫力、空いっぱいに広がる入道雲です。光の明暗が、このスケールの大きさを演出しているように思います。このような現象に居合わせた作者が、冷静に構図を考えられたことでインパクトのある写真となりました。花火が始まるのを待っている人たちは、空の現象に気づいていない雰囲気が、この写真の違和感を作り出し、それがいい空気感となっています。

ネイチャー・フォトサロン 1席

「湖面の秋」石川勝久(群馬/太田支部)

撮影機材:D610・AF-S NIKKOR 24 -120mm f/4G ED VR

選評:ニッコールクラブ シニア・アドバイザー  大西みつぐ

日光湯西川湖に映る紅葉。古典的な題材ですが、わずかなトリミングの成果か、しっかりしたフレームワークで美しくまとめあげられています。色合いだけでなく風景そのものにある「遠近感」がダイナミックな切り取りにより豊かに表現されています。枯れた白い樹林が幻想的でもあり、紅葉から冬へという季節の速度をそれとなくイメージさせるところも一つのポイント。原点としての絵画の構図もまだまだ有効ということがよくわかります。

チャレンジ・フォトサロン 特選

「うっとり」清原義之(岡山/倉敷支部)

撮影機材:Z 7・NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

審査・選評:ニッコールクラブ シニア・アドバイザー  ハナブサ・リュウ

倉敷には個性豊かなお店が多く、このトルコの民芸品を売る店も異国情緒にあふれていて、カラフルなランプや絨毯などがフォトジェニックです。それに見とれている女性はモデルさんのようですが、あまり違和感がなく、横顔の輪郭が美しく素敵です。ややブルーがかった色調も自然に表現されていて効果的。フレーミングもしっかりしていて、必要なところにきちんとピントが合っています。完成度の高い安定した作品になりました。

チャレンジ・フォトサロン 特選

「タブレット」鈴木悦子(千葉)

撮影機材:D4S・AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR

審査・選評:ニッコールクラブ シニア・アドバイザー ハナブサ・リュウ

千葉県を走る小湊鉄道の里見駅。単線のローカル鉄道でよく目にする光景ですが、圧縮効果と背景の整理という望遠レンズの効果を上手く生かし、人物の存在感を高めています。タブレットだけではなく、2人の会話まで写し取ったような臨場感もあり、さらに赤い旗と後方に続くカーブした線路が奥行感を生み出しました。ただ、背景の暗部を出すためにレタッチしたのでしょうか? 不自然な青カブリが気になるので気をつけましょう。

チャレンジ・フォトサロン 特選

「純情」佐古田清一(岡山/倉敷支部)

撮影機材:Z 7・AF-S 70-200㎜ + マウントアダプター

審査・選評:ニッコールクラブ シニア・アドバイザー ハナブサ・リュウ

タイトルにふさわしく、お人形のように清らかで美しい少女のポートレートです。
やや緊張した表情ですが、凛とカメラを見つめる眼差しが、この作品のすべてを物語るような強さがあります。少女を真ん中にして、両側にお内裏様とお雛様を配した背景のボケ具合や入れ方も効果的でした。奇をてらわず、素直な表現に好感が持てました。これからも初心を忘れないでください。

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