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【イベントレポート】9/29 ポートレートサークル オンラインセミナー

ポートレートサークル オンラインセミナー・トークイベント

「倫子の部屋」

9月29日(日)14時より、ポートレートサークルのオンラインセミナー・トークイベント『倫子の部屋』を開催いたしました!

今回は通常のオンラインセミナーとは異なり、トークイベントというかたちで、ゲストに、フォトグラファー・金澤正人氏をお迎えし、佐藤先生と対談していただきました。

左:金澤氏と出会った当時の佐藤先生 右:対談風景

先ず佐藤先生より、懐かしいお写真と共に金澤氏をご紹介していただきました。
東京工芸大学短期大学部卒業後、(株)資生堂宣伝部(現・クリエイティブ本部)に入社されたお二人。先輩後輩という間柄だそうですが、気兼ねなく気さくにお話される佐藤先生と、それに穏やかな口調で応えられる金澤氏、終始和やかな時間となりました。

ここでは著作権の関係上載せられなくて大変残念ですが、金澤氏に提供していただいた資生堂の広告写真を拝見しながら、当時の撮影秘話をたくさん伺うことができました。
ブランドイメージを壊さないようにし、ストーリー性も大事にしながらの広告撮影。商品はもちろんですがモデルさんにも大変気を使う撮影になります。クライアントが求める要望、例えば『コピー』(広告の中で用いられる文章やメッセージ)とモデルの表情がマッチしているか、笑わない写真でということであれば目力で表情を作る、などモデルとフォトグラファーとのコミュニケーションが必須になってくるとおっしゃっていました。

視聴者様より、当時の撮影機材を教えて欲しいですというご質問があり、初期は4×5の大判カメラ※1を使用し、プリント時にトーンなどの調整、その後中判デジタルカメラ※2を使用した撮影に変わっていったそうで、化粧品のライティングはトップクラスで難しく、逆に化粧品を適正なライティングで撮れるようになれば、何でも撮れるようになるともおっしゃっていました。

後半は、金澤氏の作品や今後の活動についてのお話を伺いました。

 その中でも『様々なものが進化した中で、絵、彫刻、写真など、表現の垣根が無くなってきており、現代はいろいろな表現方法がシームレスにつながっている。自身としては、既存の写真のテクニックを駆使しながら新しい表現をしていきたいと思っており、フォトグラファーというよりは1人のアーティストとして表現者になりたい』とおっしゃっていたのが印象的でした。また、PHOTO HUBのメンバー様へは、“一番大事なことは、『自分が、撮っていて楽しいですか?』ということ”というアドバイスを頂きました。こういう写真が良いだろうという固定概念ではなく、良い写真を撮ったのだけれども、はたしてそれが楽しいのか?楽しいはどこにあるのか?それらを模索するのも大事であるとのことでした。

そして金澤氏は7年前より、“LAVENDER RING”(ラベンダーリング)という、すべてのがんサバイバーの方を笑顔にする活動をされておられ、がんになられても明るく楽しく暮らしている方々の撮影をしておられます。https://lavender-ring.com/

初めは緊張気味だったモデルさんも、ヘアメイクされ、会話しながら撮影するにつれて皆さん自然と笑顔になられるそうで、その瞬間を逃さずに撮影されているそうです。

お二人のエピソードや、写真、撮影に対する熱い思いをたくさん語ってくださり、名残り惜しいですがお時間となりまして、トークイベントは終了となりました。

 ご視聴いただいた皆さん、倫子の部屋(トークイベント)は、いかがでしたでしょうか?

普段私たちが知ることができない業界のお話や撮影秘話、倫子先生の秘蔵写真(!)など、内容盛りだくさんであっという間に時間が過ぎてしまいましたね。
またこのようなイベントを開催できたらと思いますので、ご意見・ご感想ございましたらお待ちしております。

最後に、金澤氏、佐藤先生、お忙しい中お越しくださいまして、ありがとうございました!!

※1 4インチ×5インチ(10㎝×12.5㎝)サイズの大判のフィルムカメラ。1枚ずつにカットされているシートフィルムで、撮影の際は1枚ごとに交換して使用。
※2 本体サイズも大きく重たい機種が多く、写真を追求するプロやハイアマチュアを中心に使われてきたカメラ。35㎜フィルムよりも大きく、大判フィルム(4×5など)よりも小さいサイズのフィルムを使用し撮影するため“中判カメラ”と呼ばれている。

 

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