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【イベントレポート】2024/8/25 スナップサークル オンラインセミナー

スナップサークル オンラインセミナー
作品投稿お題「街のデザインを活かした構図」セミナー

8月25日(日)10時00分より、スナップサークルのオンラインセミナーが開催されました!

今回のお題はちょっと難しい…、そんなお声も聞こえていました「街のデザインを活かした構図」。熊切先生は、たっぷり90分をかけて、先生の作品と共にこのテーマについて講義をしてくださいました。
まずは「デザインを生み出す構図の基礎」ということで、4つの基本的な構図のおさらいからスタート。(画像が小さくなってしまって申し訳ありません!)

4つの基本的な構図「S字構図」「三角形構図」「対角線構図」「シンメトリック構図」について、熊切先生は「デザインを学んでいる方にはおなじみかもしれないけれど」と前置きをされてから、写真で作品を作るときのコツも織り交ぜながら解説。例えば「S字構図」では、目線をどう誘導するかが大切だそうで、S字カーブだけではなく、その先に終着点を作り、そこまで目線を持ってくるといい、と説明してくださいました。この作品例では、終着点にテーブルの上に置かれたローソクがあります(小さくて本当にすいません…)。曲線と点、さらにそれらを窓という額縁構図におさめている「合わせ技」だそうです。これは今すぐにでも試したくなる技ですね!

こちらも額縁構図ですが、三角の窓があったわけではないそうです。上側は梁、右側は通路、左側はなんと、影。このように、肉眼でみると立体であっても、写真だと奥行きがなくなり、平面的な形が生まれる、それを額縁として切り取ることによって、奥の景色をより印象的に見せられる、とのことでした。このように、写真で撮った時のことを意識して見ていくといい、とお話してくださいました。熊切先生、なるほどです!カメラを持って、街を歩くのが楽しみになりますね!

こちらの作品例では、欄干の前ボケから奥に向かっていくパースを生かして迫力を演出している、ということを教えてくださいましたが、参加者さんたちは、この作品の傾きにも大注目をされていました。傾いているのに、熊切先生の作品はなぜこのように良い感じなのでしょうか…?実は、私も同じことを考えておりました!ご質問いただきありがとうございます!
カメラの水平を少し倒す・斜めにする手法について、熊切先生はこんな解説をしてくださいました。

例えばこの作品例でいえば、欄干をストレートに撮ると強く効きすぎてしまうのだそうです。それを少し斜めにすることによって「ねじれ」が出て、奥にひねっていくような奥行き感を生んだりする、水平を崩すことによってできる新たなデザイン・奥行き感…そういったものを演出するためにやったりする、ということでした。ただ気を付けたいことは、水平線が写っていたり、水平の基準となるものが写っていたりするときは、斜めにすると気持ちわるく感じることが多い。それは気を付けなければいけないが、基本そういうものがない時は、構造物は斜めにすることによってさらにデザインが変わってくる、構造の面白さが見えてくる、そういうこともあるのだそうです。斜めに撮った時、線の入り方がまったく変わってくるので、ぜひ試してもらえると面白いと思う、余裕があるときには、デザインを、撮り方でアレンジする、積極的に自分の方から攻めていく、作っていく、それが都市デザインを生かすちょっとしたテクニックだと思う、ということでした。

さらに続けての質問に対するご回答が素晴らしかったので、先生の作品を挟みつつ続けたいと思います!

人物を傾ける時には、コツがあるのだそうです!それは、「頭がまっすぐになるようにする」ということでした。人物を傾ける方向に決まりはないそうで、ただ、頭(頂点)がまっすぐだと、斜めが気にならない(あまり気持ちわるくならない)のだそうです。ポートレートの斜め感も同様、というお話でした。そうだったのですね、熊切先生!これは、作品制作に活かせそうですね!ありがとうございます!

最後に、熊切先生はみなさんに向けて、こんなメッセージを送ってくださいました。
「デザインを気にしすぎて、シャッターチャンスを逃してしまったら、それは意味がありません。まずは、写っていること。そのうえで、余裕があれば、心の中で構図を考えておく。それだけで、構えたときに違ってきます。このセミナー聞いたことを、頭の中に入れておくだけでいい。考えすぎることもよくありません。意識の片隅に入れておくといいです」

教えていただいたことを試そうと、つい考えすぎてしまい、かえって迷ってしまう…つい陥りがちなポイントを、しっかりフォローしてくださいました。

ハイセンスな作品例、素晴らしい解説と講義で、あっという間の90分でした。熊切先生、どうもありがとうございます。ご参加のみなさま、最後までご視聴ありがとうございました!皆様の作品のご投稿、そして次回のオンラインセミナーでもお会いできますことを、スタッフ一同、楽しみにしております!

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