ニッコールクラブ会員展 古清水 輝光「斜光」インタビュー
会場:ニコンプラザ東京 THE GALLERY
会期:2024年10月29日(火)~2024年11月11日(月) 日曜休館
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
定年を迎えた65歳から、カメラ・写真を始められたという古清水 輝光さん。2015年には初めての個展「成田空港人模様」を開催、その2年後には「Sapaからの手紙」、さらにその2年後に「メコン謹厚」を開催されました。
コロナ禍を経て5年ぶりとなる今回の写真展について、古清水さんにお話を伺いました。
今回の写真展の撮影について教えてください。 |
最初の撮影は2020年の1月、コロナ禍に入る直前にカンボジアへ向かいました。行きの飛行機では誰もマスクをつけていなかったのが、帰りの便ではほとんどがマスク着用、というタイミングでした。
最初は面白い撮影場所がないかと観光地も見に行ったのですが、旅程の最後の方に行ったトンレ・サップという湖に興味を持ちました。雨季と乾季で水位がまったく違う大きな湖なのですが、そこには水に浸からないように作られた高床式住居に住まう人々と、船に乗って移動しながら生活する人々が暮らす地域があります。
戦争から逃れた人や国籍を持たない人など、非常に厳しい生活をしている場所ですが、そこに住んでいる人はみんな笑顔で過ごしていることに大変心を打たれました。
その時は時間があまり取れず、2日ほど撮影して帰国したのですが、コロナが落ち着いた2023年12月に再訪して撮影に臨みました。
しかし、現地に着いてみても船に乗っていいかがわからなくて。海外に撮影に行くとままあることなのですが、それだと観光客と同じ写真しか撮れなくなってしまいます。悩んでいると、不意に船で生活をしている人から「乗ってみるか?」と声をかけられました。これ幸いと乗せていただき、それ以降も何度も船に乗せていただく機会に恵まれました。そうして彼らの生活の「内側」を撮ることができたのはとてもよかったです。
撮影機材は何を使われましたか? |
2020年の時はD500をメインに使いました。レンズはAI AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-EDです。2023年の時はZ fcで、レンズはNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRを使っています。
今回の写真展でこだわったところはどこですか? |
最初は小さい額だけで、縦はA3ノビのスクウェアを考えていましたが、ニッコールクラブ事務局の方に「大きいものを入れた方がいいのでは」とアドバイスをいただいて大きい額も追加しました。
レイアウトの上では、水上で生活する人々の写真と高床式住居で生活する人々の写真を混在しないように配置しました。
どのようなきっかけで写真展を開催するようになりましたか? |
わたしは写真を始めたのは65歳からで、その時に別の写真クラブに入りました。そのクラブの仲間達がニコンの写真展会場(当時は「Nikon Salon Bis」)で写真展を開催しているのを見て、とても憧れまして。「写真展をやるにはどうしたらいいのか?」と尋ねたら、ニッコールクラブ会員になって審査に合格すれば個展が開けるということで、ニッコールクラブに入会しました。
それからは撮影に向かう時点で、ある程度写真展を目指して撮影をすることがモチベーションにも繋がっています。
次の目標はありますか? |
やはりニコンの写真展会場で写真展を開催することが、自分の中で大きなモチベーションになっているので、また開催したいです。過去に撮ったものでは定置網漁を3回ほど追って撮り続けているので形にしたいですし、まだ他のテーマも模索していきたいと考えています。