８月31日（土）10時よりステップアップサークルのオンラインセミナーが開催いたしました！

今回は、『モノクロ写真を撮ってみよう！』というテーマで、秋山先生が撮影されたお写真を拝見しながら前半はモノクロ撮影についての説明や撮影のポイント、後半はNX Studioを使用しての編集方法を教えていただきました。
先ず初めに、モノクロ写真について特徴や表現の仕方について説明がありました。モノクロで撮ることにより、何が変わるのか。モノクロ写真は色彩から解放されて白から黒までのトーンで描かれ、グラデーションや陰影、構図が強調されることで、非日常的でドラマチック且つ特別なストーリー性のある表現が可能になるということでした。

『モノクロ写真を撮るということは、“光をよむ”ということである』とおっしゃり、逆光・サイド光・日陰・半逆光で撮影されたお写真を並べて光の違いによって作品にどのような違いが生まれるのかを教えてくださいました。
また、4枚の写真の設定においてお気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、すべてWB（ホワイトバランス）を晴天で設定されています。晴天にして撮影されることで光の濃淡の出方が豊かになり、暖色系の色合いの部分が明るく仕上がってくれるそうです。

秋山先生はモノクロで撮影の場合、今日はモノクロで撮ろう！と決めてから出かけられるそうで、時にサングラスをかけて撮影されることもあるそうです。(光の明暗がわかりやすくなる)　そしてJPEGとRAWの両方で撮影され保存することにより、RAWデータだと撮影後に編集する際に自分好みの絵にしやすく、また、JPEGにも残すことにより撮影時にどのような絵にしたかったのか記録することができるとおっしゃっていました。
ニコンのカメラにはモノクロ撮影においての設定がいくつか搭歳されており、中でもピクチャーコントロールについて詳しく説明していただきました。(搭載されていない場合でも、RAWで撮影しておくとNX Studioで編集できます)

●モノクローム(MC)●

硬い・明暗差が高い・きりっとした絵

●ディープトーンモノクローム(DM)●

シャドー部の描写力が高い・赤いものを白く(明るく)写し、青いものは暗くなる。肌が明るくなり透　　　明感がでるのでポートレートにおすすめ

●フラットトーンモノクローム(FM)●

やさしい・柔らかい・影から光へのグラデーションがなめらか(中間のグレートーンが温かい印象)・緑色が明るくなるので木や草花の撮影におすすめ

ピクチャーコントロールには、更に細かく設定できる項目があるのですが(調整項目)、モノクロポートレート撮影でのフィルターの使い方について質問があり、秋山先生が答えてくださいました。

フィルター効果にはY(イエロー)・O(オレンジ)・R(レッド)・G(グリーン)の４種類があるのですが、４種類とも『同系色の色合いを明るくし、反対色の色を濃くする』という特徴があるそうです。たとえば、Rのレッドフィルターを使用し撮影すると、同系色の赤は白く写ります。赤い口紅でメイクされている方を撮影した場合、唇だけが白くなりますので、その場合Rのレッドフィルターは不向きとなります。ポートレート撮影時におすすめのフィルターは、Oのオレンジ(肌の明るさが程よくでる)、またはGのグリーン(顔の濃淡がでやすい)だそうですが、実際は撮影時にお召しになられている衣装やメイクによって変える必要があるとのことでした。

後半ではNX studioを使用しての編集方法についてお話がありました。補正の順番は大まかに、露出補正→ピクチャーコントロールの選択→コントラストの調整の順にするとわかりやすいそうで、無作為には行わずどうしたいのかを決めてから始めるとよいとおっしゃっていました。

秋山先生は、柔らかく立体感があり、ある程度締りも欲しい場合は、明瞭度を少し下げてミドルレンジシャープを上げるという調整をよくされるそうです。そうすることによりボケ感がある部分は滑らかに、ピントが合っている部分はぐっとシャープに仕上がり立体感が感じられるモノクロ写真になるとのことでした。また、ヴィネットコントロール(写真の周辺光量を調整する機能)を下げることにより写真の周辺が締まり中央に視線が行くので奥行き感が出るとのことでした。

今回のセミナーは撮ってみよう！というテーマでしたが、後半はかなり掘り下げてNX Studioを使用した作品作りの説明をしてくださいました。秋山先生は、モノクロ写真は撮影時の楽しみもあれば作品を仕上げる際の楽しみもあり、ぜひこだわり抜いて自分好みのモノクロ写真を作って欲しいとおっしゃっていました。ぜひ、サークルにご登録いただき、みなさまのご投稿を楽しみにお待ちしております！